補色の関係を利用したカラーグレーディングをご紹介

こんにちは、オーナーのTaichiです。

今回は色についてのお話をちょっとだけしてみようと思います。映像は総合芸術と呼ばれる中で、その要素の一つには色(輝度なども含む)の表現があります。とても深い世界の色表現ですが、そんな中でも今回は代表的な表現でもある、「Teal & Orangeのカラーグレーディング」についてご紹介しようと思います。

Teal & Orangeの表現とは?

Teal & Orangeのカラーの表現は映画などでは良く拝見される色味なのですが、You Tube等でもシネマティックな雰囲気を醸し出すコンテンツ等でもよく見かけます。(流行り廃りはありますが…)
ただこのTeal & Orangeは「かっこいいから」とか「トレンド」だから良くやる色味という理由なだけではなく、なぜこの表現が定着したかという、しっかりした理由が存在しているんですね。

まずは下記の画像を見ていただきたいのですが、

画像のカラーホイールの右上に伸びている方の色はオレンジ(だいぶ広域ですが)を示しており、それと対に伸びている方の色はティールを示しています。 このカラーホイールからもわかる通り、Teal & Orangeのカラーは補色(反対色)の関係にある組み合わせということなのです。

補色の関係ってどういうこと?

補色の組み合わせは、映像だけではなくグラフィックなどのデザインでも良く使われており、特定のターゲットカラーを目立たせたい時に、それの補色になるカラーを周りに使うことで、ターゲットカラーをより一層際立たせることができるのです。
参考にこちらの画像をご覧ください。

「Transformers」のワンカットですが、人物の肌がOrangeで背景の色がTealにあたるわけですね。

この画像からもわかる通り、補色の関係というのは、何かの色味を目立たせたいときに、その反対色を使うことでより際立たせることができるという考え方なのです。つまりTeal & Orangeは、人物のスキントーン(オレンジ)が補色の背景ティールと組み合わさることで一層際立って見える表現なんです。

補色の関係はTeal & Orangeに限らない

補色の関係を使った表現は様々にあります。例えば下記のサンプルをご紹介します。

こちらはHondaのN-OneのCMです。赤い色味がグッと引き立って可愛さが倍増ですね!これらのカラーをホイールで見てみましょう。まずは映像の車と背景の色味をスポイトして…

するとこんな感じになりました。

これも見事に補色の関係を利用して、車の赤色を目立たせているわけですね!

実際に映像で確認したい方は、関連動画 N-ONE WEBMOVIE「ORIGINAL」篇をご覧ください。オフィシャルチャンネルでのアップロードではないので、予告なく削除される可能性はあります。

ということで、今日は補色の関係について少しご紹介させていただきました。カラー表現に悩んだら、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?